工房だより第9回目です。

 

8月が終わって9月に入りました。

ようやく過ごしやすい気温になってきたような感じがしますね。

これからは秋の演奏会シーズンに向けて、また楽器たちに頑張ってもらいましょう。

 

 

さて、ケースに入れているとはいえ、夏の外出・移動では楽器に負担がかかってしまうものです。

エアコンの効いた建物内から、ムッとする屋外へ出て、また快適な電車・バス内を経由して建物の中へ。

寒暖差で人間も疲れてしまうのですから、楽器だって疲れてきてしまうだろうことは想像できると思います。

 

 

もし反応やパワーが少しなくなってしまったなぁと感じる方は、一度お近くの工房やお店へ楽器を持って行ってみましょう。

魂柱や駒に起因する場合や、弦や弓の毛を交換すれば解消する場合もあります。

ひとりではなかなか判断しづらい部分ですので、職人さんや専門のスタッフに定期的に楽器を診てもらうことは非常に有効だと思います。

 

 

今回紹介する楽器は駒とその周辺に原因がありました。

では、その一部をご覧いただきましょう。

 

症状としては、反応が鈍くなってしまったことと、音色が淡泊になってしまったのを解消したいということでした。

まず楽器全体をチェックです。

 

弦は同じ銘柄のものを換えたばかりですし、弓の毛替えも数カ月以内にされているということでした。

弦を換えてたのに、以前のような音じゃなくなってしまったことを心配されていました。

魂柱や駒位置なども規定範囲内ですし、原因として考えられるのが駒とその周りの松脂なのでないかということで、一度弦を外してクリーニングをしてみることになりました。

 

弦を外すと、エンドピン穴から中をチェックできるのですが、魂柱が大きく動いたりしている形跡は見られませんでした。

駒を外しても魂柱は倒れませんでしたし、魂柱が原因とは考えにくいですね。

 

さて、取り外した駒がコチラ。

 

 

良材を使った綺麗な駒です。

側面(2枚目)を見ると、グレーの汚れが駒にまとわりついているのが分かると思います。

1枚目も角度を変えてみると、結構積もっているのが判ります。

指でつまんでいるのですが、ちょっとべっとりしました。

 

長年の使用で松脂が段々と固着してきたのでしょう。

ある時点までは問題なく、駒が駒としてのパフォーマンスを発揮してきてくれたけれど、「これ以上は無理っ!」というところからは、駒が振動を楽器本体に充分に伝えられなくなってしまったんだと思います。

 

人間でいうと脂肪みたいなものですね。

脂肪がつきすぎると運動能力に影響してしまうように、駒も余分な重さが加わるとそのパフォーマンスは落ちてしまいます。

 

前回の毛替えが終わってしばらくした頃から、何かおかしいなぁと感じるようになったそうで、8月の本番前に弦を換えて改善はしたものの、やっぱり違うということでした。

 

ここからは推測ですが、毛替え後は松脂をしっかり塗るので、そのときの松脂の粉が駒やボディに付き、それが夏の暑さで溶けては固まりを繰り返したために、その限界線を越えてしまったのではないかと想像します。

 

 

 

という訳で、クリーニング後がこんな感じです。

木材の繊維や年輪、放射組織なども見えるようになりました。

表板の松脂汚れも、もちろん取り除きました。

 

 

Setupし直して、楽器を弾いてもらいます。

 

 

結果は見事に解消されて、以前のような音と力強さが戻ってきてくれました。

反応スピードも元に戻って、ストレスなく演奏できるようです。

 

意外だったのは、一度弦を外してテンションを取り除いたことで、楽器がリフレッシュされたことです。

クリーニングをしているので、確かに音や反応スピードなどは変わっているのですが、言葉では言い表せない”深みや若々しいハリ”のようなものが新たに生まれた(正確には戻ってきた)のを、私も所有者も感じました。

 

 

 

少し長くなってきてしまいましたが、日々の練習やメンテナンスも大事ですが、楽器もいちどリフレッシュさせてあげるのも大切なのかも知れませんね。

弦を全て外すのは駒が倒れてしまうので、職人や専門のスタッフにお願いしてください。

 

弊社フェルマータ工房なら楽器のリフレッシュも簡単です。

毛替えのついでに、クリーニングや楽器のリフレッシュをご用命ください。

 

 

スタッフ一同お待ちしております!

 

 

 

無料点検や毛替え・調整のご予約は下記の電話番号まで♪
03-3557-7480

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